3歳で亡くなった愛犬
愛犬のすう。それが今回の記事の主役です。
スースーという可愛い寝息を立てるから名前もすうちゃん。
3歳で悪性の病気にかかり、亡くなってしまいました。
このとき、私は20代。お金さえあれば何でもできると思っていました。
「金持ちっていいよねー。病気しても特別待遇で入院もできて、手厚い看護が受けられるんでしょ?
不祥事起こしても『誠に遺憾です。』とか『前言撤回いたします。』って言ってあとは疲労による入院をしちゃえば守ってもらえるんでしょ?金持ちって好きなもの買って好きなもの食べてみんなに守られてる。お金さえ持ってれば無敵じゃない?」
若さで視野の狭かった私はそんな風に思っていました。
でも、若くして亡くなった愛犬を前にして気付いたんです。お金があってもどうにもできないことがある。何億積もうがすうちゃんは帰ってこない。
もしお金を積んで帰って来るのであれば一生働いてもいい!寝る時間が少なくたって、娯楽がなくてもいい!とにかく帰ってきてくれるなら何でもする!そう思ったってすうちゃんは生き返ってくれない。
寝ようとしても涙が止まらず、起きても横になっても泣いている状態でした。
それでもずっと亡骸を置いておくわけにもいかず、火葬することに。
火葬して小さくなったすうを胸に抱いて家に連れ帰った日の夜、不思議な夢を見たのです。
すうからの手紙!?そこには私へのメッセージが
すうの火葬が終わった日の夜、私の夢に白い服を着た女性が出てきました。
その女性は私にこう言ったのです。
『あなた様のわんちゃんがこちらに到着されました。』と。
夢の中の私は、すうのことだと思って即座に聞き返します。
「すうのことですか?もう着いちゃったんですか!?」
女性が和紙の巻物に書かれたような手紙を取り出します。
『あなた様にメッセージを預かりました。』
その手紙にはびっしりと
好き好き好き好き!!と書かれていました。
「これ、すうが?これだけですか?」と尋ねる私に女性が答えます。
『何度聞いてもこれしか言わないのです。』と。
明るくておちゃめだったすうちゃん。
楽しそうに走り回りながら「好き好き!」と言っている姿が想像できました。
『こちらにいますからご安心ください。』
という女性の声に見送られるように目が覚めた私は
「すうちゃん。私も大好き。」と呟きながら笑っていました。
このメッセージは本当にすうのものだったのでしょうか。私にはわかりません。
でも、人間の書く難しい言葉が並んだ手紙よりも
『好き!』以外の言葉が書かれていない単純な手紙が
すうちゃんらしいと思ってしまいました。
こんなことを思ってはいけませんが、
すうが亡くなった後の私はこの世の終わりのごとく落ち込みました。
「すうが乗り越えた死なのだから怖くない」とよからぬことを想像したりもしました。
あの日見た夢は、そんな私を生かすためのすうからのエールだったのかもしれません。
「いつまでも泣かないで。前を向いて楽しく生きてよ!」
というメッセージかなと都合よく考えています。
すうは最期の半日はほぼ意識がない状態でした。
亡くなる10秒くらい前に突然目を開け、すごい力で床を蹴って私に抱っこしようとしてきたんです。
慌てて抱っこしたら背伸びするように顔を伸ばして私の頬に顔を寄せ「わぉーん!!」と吠えて亡くなりました。
その一言が「好きー!」という意味だったら…。すうの頭(心)の中は私への好きで溢れたまま旅立ったの?
この夢を見てからそんなことを考えます。
すうが私たち家族に愛されていた自覚を持ち、迷いなく旅立てたならよかった。
ただの夢とはいえ、救われたような気持ちになれました。
すうのいない現実は今でも寂しいこともあります。
このおもちゃ、すうにあげたかった。これを食べさせたかった。
小さな後悔も言い出したらきりがありません。
でも、そんなときは自分に言い聞かせるんです。
「私はすうに一番好かれてるんだぞ!私には相思相愛の相棒がいるんだぞ!」と。
そうすると妙に元気が出て前を向けます。
そして、その夢を見てから笑えるようになった私は
「生きたくても居場所のない子を家族に迎えよう!」と動き出しました。
そして迎え入れたのがバウです。
すうが亡くなったことは悔しいけれど、すうがいなくならなかったらバウに出会うことはなかった。
そう考えるとすうが『僕はもう沢山愛されたから家のない子に譲るよ』と旅立ったような気がしてきます。
偶然ではなく、運命だったのかな?と。
バウのこともいつかは見送る日がくるはずです。そのときに後悔しないように精一杯向かい合っていくつもりです。
そして、すうちゃんへ。
そちらでの生活はどうですか?天国にも桜は咲いてますか?こちらは桜が満開でとても綺麗です。コロナっていう病気が流行っていてお花見を楽しむことはできないんだけどね。
でも、お家時間が増えたからすうの後輩のわんちゃんと過ごす時間が増えたよ。私たちのこと、時々覗けたりするの?また手紙ちょうだいね。
遺骨は家に置いておいてはいけない?
以前はマンション住まいでいつ引っ越すか分からない状態だったので歴代の犬の骨壺は納骨せずに自宅に置いています。
骨を部屋に置いておくことにマイナスな意見も聞きます。私も知人に『呪われる!』とまで言われました。
お骨の扱いについて葬儀屋さんに伺いました。長くなるので別記事に記載しております。