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【就労継続支援施設で指導員として働いた体験談】

以下は私が働いた福祉施設での体験談です。
きっと利用者にもスタッフにも手厚い施設もあると思います。
あくまでも私の体験談としてご覧ください。

目次

働いた場所

就労継続支援A型という障がい者の職業訓練施設で指導員として入りました。
※指導員というと響きはいいですが、資格不要で業界経験がなくてもOKでした。

その施設では様々な病気や障がいを持った方(以下利用者)が商品の袋詰め、シール貼り、データ入力、ファイリングのような作業を行います。

内職を施設内でやってると言ったらイメージがつきやすいかと思います。

指導員は作業の見守りをしたり、日々の悩みの話し相手になったりと身体介護以外で利用者をサポートします、

就労継続支援A型は出来高制ではなく、利用者には最低でもその地域の最低賃金が支払われます。
もちろん有給も付与されます。

様々な病気や障がいを持った方がいるので、ペースはそれぞれ。

1時間に100枚のシールを貼る人もいれば、1時間に10枚のシールを貼り、その中の5枚が失敗の人もいる。

それでも同じ時給が支払われます。

その施設で訓練し、最終的には一般企業での就労に結び付けるという表向きの目標がありました。

けれど、私がいた期間で一般就労に結び付いた人はいませんでした。

施設側も「就職されてしまったら国からの補助金がもらえなくなるから困る。就職については触れるな。」というような態度。

施設は金儲けだけを目的としている。

なんとも汚くて、やりがいのない職場でした。

労働条件・残業代は福祉だから我慢しろ!?

・最低賃金
・交通費なし
・フルタイムなのに社保なし
・ボーナス、寸志なし
・残業しても残業代なし
(利用者が終わらせられなかった作業を遅い時間まで指導員がやならくてはいけません)

こんな労働条件で1人暮らしをしていました。
父がうつ、友達がパニック障害を発症したことでこの業界に興味を持ち、国家資格ではないけれど通信講座で人の心理学の初歩を勉強し、2~3年働いてみようと思って入りました。

2、3年どころが1年続けるのがやっとでした。
毎月貯金を切り崩す1年間。
いい大人が手取り11万ですよ(笑)
フルタイムなのに社会保険にも入れてもらえないので、そこから国民年金と保険を支払っていました。

あと毎日の交通費
もですね。

クリスマスやバレンタインには我々指導員が自腹でプレゼントを用意し、利用者30人ほどに配るという最悪な出費もありました。

会社側にせめて残業代をと求めても返ってくるのは『介護・福祉業界だからさ、残業代は出せないんだよ。』でした。

介護福祉で働く者は自分の生活を犠牲にしてまでボランティア精神で尽くさなくてはいけないのでしょうか。

生活保護の為に知恵を絞る利用者

これは書くことを悩みましたが、事実なので投稿します。

私たち指導員側は残業代もなく、有給すら使えない状態なのに利用者の一部にずる賢い人がいたのも事実。

突然、『明日から1週間休むのでよろしくー!』と言い始めるんです。

体調不良や通院が理由ではないんですよ。

理由を聞くと
『働けるところを見せて生活保護を打ち切られちゃうと困るから!』
と言うのです。

『そうそう!数日働いてしばらく休むを繰り返さないと損だから!金もらえないから。』
『働こうとしてるというポーズだけ見せとかないとね!』 
『貯金すると打ち切られるから競馬にでも行って使わなきゃ!』
と他の利用者も乗っかって笑っているのを見て、この施設があっても意味がないのでは?と悲しくなりました。

※私には生活保護に関する細かい知識がないので、打ち切り条件などは分かりません。当時利用者が言っていた言葉だけをそのまま記事に記載しています。 

施設は施設で利用者に辞められたら補助が出ないからと利用者のご機嫌を取り、一部の利用者は生活保護を打ち切られないように最低限だけ施設に顔を出す。

一体何のための施設なんだろうと気持ちが冷め切ってしまいました。

先天性の知的障害のある方は何をするにも一生懸命。作業を間違えると涙を流しながら悔しがるのです。

そういう方と小さな喜びを分かち合いながら過ごせたらもっと仕事を続けられたかもしれません。

私が指導員として入ってしまった施設は外から見てた以上に汚い世界でした。

退職時…しつこい引き止め

毎月貯金を切り崩しながら続けるほど魅力が大きい仕事ではないので、1年も経たずに退職を申し出ました。

1ヶ月前に退職届を提出。
(退職願だとあくまでも願いなので、“届”として出すのが良いということも調べてから出しました(笑))

退職届を出してからがまぁーーーーしつこかった!

昼休みも利用者と食事をとらなくてはいけないので、自由な時間はありません。

そんな中で毎日のように管理者に呼び出され、本当に辞めるのかと聞かれました。

辞めますと言っても『続けてほしい!今までの仕事っぷりも素晴らしかった!』と持ち上げてきます。

「仕事っぷりが素晴らしかったというのであれば未払いの残業代をくれませんか?
生活できる給料があればまだ我慢できたかもしれません。」と伝えると出るんです、あの言葉が!

『福祉だから残業代は…出せないんだよ。でも、あなたの頑張りは評価してるから残ってよ。』

このやり取りは退職する当日まで続きました。

退職当日は17時までの勤務だったにも関わらず、18時半まで粘って引き止められました。

残って欲しいなら一人暮らしできるだけの賃金をちょうだいよ。

生活保護をもらっている利用者と家の間取りの話をしたときに、「え!俺より狭い部屋に住んでるじゃん!」と言われて馬鹿らしくなりました。

『福祉業界なので!』という言葉を盾に低賃金でスタッフを使い、残業代未払いを続ける会社がなくなることを願っています。

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